「いっぱい買っちゃいましたねー」
と夏菜たちはガサガサと音をさせながら、大量のビニール袋を手に部屋に戻った。
「買い占める気かと思いましたよー」
社長が……。
確かこの人、行く前は買い過ぎるなと私を諫《いさ》めていなかっただろうかと思いながら、ガランとした広いリビングにどっさりビニール袋を置く。
「なんだかワクワクしますね、社長っ」
「そうだな。
早速便利グッズを使ってみよう!」
「そうですね!」
二人は意気揚々とお掃除グッズを取り出したが。
……何処も汚れていない。
有生はカラカラとバルコニーに続く大きな掃き出し窓を開けてみていた。
だが、バルコニーにさえ、塵のひとつもないようだ。
今日住むかもしれないと言うので、誰かが掃除しておいてくれたのだろう。
「夏菜」
「はい」
「汚せ」
何処をどうやってですか……?



