今夜、あなたに復讐します

 猫は七代祟るって言いますもんね……。

「猫が祟ってきても、ひねりつぶしてくれるわっ」
と威勢良く言う有生の後ろには可愛い仔猫のカレンダーが貼ってある。

 何処の社名も入ってないので、贈答でもらって仕方なくとかではなく、好きなのだろう、猫が……。

「ともかく、俺はお前を祟る予定はない。
 第一、どうやるんだ、祟るって」

 そうですよねえ、と改めて問われ、夏菜は小首をかしげる。

「でも私、ずっと貴方のせいで、今まで人生縛られてきた気がして。
 それこそ、呪いですよ。

 だから、一撃加えてやりたくて、此処に来たんですけどね。

 もうほんと、生まれてから今まで、ずっと貴方を祟り殺したい気分だったんですよ」

「……それだと呪われてんの、俺だよな」

 七代目にやり返されるという話だったのか……?
と有生は呟く。