今夜、あなたに復讐します

 おじさんが夏菜を見る。

 いいえ、警察は呼べません、と夏菜は青ざめたまま思っていた。

 今、警察が来たら、有生の方が逮捕されそうからだ。

 今にも()りそう。
 そんな感じ……。

 ひいいいとおじさんと抱き合って、手に手をとって逃げたい気持ちだった。

 ちょうどそのとき、見回り中らしいミニパトが後ろの広い道を通って行き、おじさんが、びくりとそちらを見る。

 いや、どちらかと言えば、社長にびくりと見て欲しいんだが、と思ったとき、指月が、
「はいはい」
と割って入ってきた。

「そろそろ気がすみましたか?」

 気がすんだのは、たぶん、社長の方だ。

 自分を殺しに来た男を存分にいたぶって、すっきりしたに違いない。

「はい、行きますよ」
と指月はおじさんの首根っこをつかむと、社屋に引っ張り込む。

 おじさんは今にも皮をはがれて三味線にされそうな顔をしていた。