今夜、あなたに復讐します

 


 貴女は、何故、此処でおやすみなのですか……。

 何故か敬語になりながら、有生は寝ている夏菜の顔に向かい、心の中で問いかける。

 なんとなく、夏菜の布団の横に正座してしまっていた。

 自分が同じ部屋で寝ることを知っているのか知らないのか。

 夏菜は、すかーっと気持ちよさそうに寝ている。

 あまりに幸せそうに寝ているので、ぶちたくなる感じだ。

「……襲うぞ」
と寝ている夏菜を脅してみる。

 いや、とてもじゃないが、襲う元気などないのだが。

 しかし、可愛いな。
 なんにも考えてなさそうで、と夏菜が聞いたら、怒り出しそうなことを思う。

 でも、そうか。
 結婚したら、この寝顔を毎晩見てもいいのか。

 贅沢な感じがするな、とちょっと幸せな気持ちになりながら、有生は痛む身体で布団を廊下に引きずっていって寝た。