さすが総帥の右腕……。
一時間後、ボロボロの状態で、有生は寝床に引き上げていた。
手合わせなんて頼むんじゃなかった。
明日の仕事に差し支える、と思いながら、
「此処でおやすみください」
と加藤に言われた部屋に行く。
痛む足腰で障子を開けると、そこは、だだっ広い広間だった。
この家、どんだけ部屋があるんだ、と思いながら見ると、広間のど真ん中に布団があったが、そこでは既に誰かが寝ているようだった。
その布団の向こう、部屋の隅にもう一組布団があったので、
あれを敷いて寝ろってことかな、と思いながら、有生は布団を取りに行く。
誰が寝てるんだろうな。
俺と一緒ってことは雪丸かな?
いや、銀次かもしれん、と思いながら、ひょい、と見たそこに寝ていたのは夏菜だった。
その衝撃に、思わず、足を止める。



