……おかしい。
一緒に暮らすことになったのに、全然、ラブラブ同棲生活にならないが。
いや、別にあの一撃娘とラブラブになりたいわけではないのだが、と思いながら、有生は小学校の廊下の流しのような場所で歯を磨いていた。
小学校と違うのは、屋敷が木造なので、いい木の香りが漂っているということくらいか。
まあ、みんなで並んで歯磨きしたりする、この合宿所のような状態では、なにもラブラブになりそうもないが……と思ったとき、
「では、おやすみなさい、若」
「おやすみなさい」
と一緒に並んで磨いていた気のいい道場の男たちに挨拶された。
うっかり、こういうのも悪くない、と思ってしまう。
……いやいや。
肝心の夏菜は何処だ、と彼女を探そうとしたとき、
「あ、ちょうどよかった。
御坂社長」
と加藤がやってきた。



