「この方が今まで夏菜さんを祟っていらした御坂有生社長です。
今日から夏菜さんの婚約者になられました」
と加藤がみんなの前で、これ以上ないくらいザックリな紹介をする。
加藤さん……。
冷やし中華はじめましたみたいな感じで、さらりとすごいことを言っている、
と夏菜が思ったとき、夏菜の前にいた雪丸が笑って言ってきた。
「まるでロミオとジュリエットですね」
ええ。
愛がないことを除けば……。
すると、そこで、ずい、と銀次が前に進み出て言う。
「じゃあ、その坊主。
失礼、その坊ちゃんがこの道場を継ぐんですかい?」
「いえ、私は道場は継ぎません。
特に修行もしていませんし、そのような資格はないと思います」
と有生は真っ当なことを言う。
「じゃあ、道場はどうなるんですかい?」
とぐいぐい突っ込んでくる銀次に有生は、
「道場は……
おにいさんが継がれるのでは?」
と言った。



