そのまま道場に戻り、有生は頼久に結婚前に少し同居させて欲しいと頼みに行った。
あの……まず、私の許可を得て欲しいのですが。
どうして、おじいさまが先。
まあ、おじいさまもそんなことお許しにならないだろうけど、と思いながら、夏菜も同席していたのだが。
頼久は有生の話にうむうむと頷き、
「わざわざ、わしの許可を得に来るとは感心だな。
まあ、それもいいかもしれんな」
と言い出す。
「えっ、おじいさまっ」
と夏菜は腰を浮かし、訴える。
「その代わり、結婚まで夏菜に手を出すことは許さんぞ」
「……わかりました」
と有生が言ったので、そのまま話がまとまりそうになり、夏菜は焦った。
だが、所詮は夏菜の祖父、発想は同じだった。
「どうする? うちの広間で寝泊りするか?」
そう訊いてくる頼久に、有生は少し疲れたような顔で、
「いや……、だから、それだと修行ですよね」
と夏菜に言ったのと同じセリフを繰り返していた。



