「藤原夏菜ですっ。
よろしくお願いしますっ」
とりあえず、お茶出しの仕事は今日はないということで、総務の雑務の手伝いをすることになった。
「あら、よろしく。
派遣さん?」
と素敵なロングヘアの美女がパソコンを打つ手を止めて言ってくる。
水原美鳥とその美女は名乗った。
だが、そこを通りかかった目許はきついが、ふんわりゆるふわウェーブで髪型だけ穏やかな感じの女、元田利南子が、
「そんな愛想よくすることないわよ、美鳥。
こんなチャラチャラした派遣なんて、男見つけに来ただけに決まってるんだから」
と言ってくる。
それから、利南子は夏菜を睨み、
「……あんた、なに興味津々みたいな目で私を見てるのよ」
と言ってきた。
あっ、すみませんっ、と夏菜は頭を下げる。



