「そうか。 お前にも彼女ができたか。 なら、もうお前の名前は使わないようにするよ」 別れ際、雅道はそう有生に言っていた。 「いや、そもそも使うな」 と有生が言うと、 「いやいや。 お前に騙された、と思って訪ねていった女と恋が始まるかもしれんだろ?」 と雅道は言う。 「そんな始まり方はごめんだ……」 そう言う有生にも雅道は、 「なんでだ。 俺が付き合ってた女は、いい女ぞろいだぞ」 と言って笑っていたが。