「あれっ? 彼女消えたよ」
と雅道に言われ、なにっ? と有生は辺りを探す。
夏菜はデザートに誘われたのか。
小さなケーキなどが並ぶ庭のテーブルの前にいつの間にか移動していた。
だが、皿とフォークを手にしたまま、夏菜は妙な笑顔を顔に張り付かせ、固まっているようだった。
どうやら、英国人の招待客に話しかけられて、答えられないでいるらしい。
あいつ、英語しゃべれないのか。
仕方のない奴だ、と思いながら、溜息をついて行こうとすると、さっき少し話した中国のIT企業の社長とかいう男が、夏菜に助け舟を出していた。
颯爽とした感じの若いイケメンだ。
「ほら、早く行かないから、別の男がいいとこ見せてるじゃないか」
と横から雅道が言ってくる。
「お前のせいだろうが」
と睨みながら、庭に出た。



