今夜、あなたに復讐します

「あの、黒木、時間が……」

「銀次さん、私、そろそろ行かないといけないので」

 夏菜も銀次を止めようとしてくれたが。

 二人は間合いをとって動いているうちに、お互いの力の程がわかったらしく。

 好敵手を見つけたとばかりに目を輝かせている。

「……珍しく黒木が楽しそうなんで、置いてくか」

 俺が運転する、と有生が言うと、
「あ、じゃあ、僕が運転しますよ」
と機嫌よく雪丸が言ってきた。

「……お前、運転できるのか?」

「意外にも上手いんですよ、僕」
と言うので、ほう、と聞いていたが。

「この間のチャンピオンレースのときなんて」

「待て」
と思わず、有生は止めていた。

「そっち方面に上手い奴は却下だ。
 会社のドライバーは安全一番……」

「黒木さーん、車の鍵開いてますか~?」

「待てこらっ。
 人の話を聞けーっ」