今夜、あなたに復讐します

「やれやれ、これで長い間の懸案(けんあん)事項が消えるな。

 この現代に祟りなどないと思っていても、生まれてからずっと、いつも喉に小骨が刺さったような気持ちだったからな。

 子が生まれ、孫が生まれても。

 この子もその呪いを引き継いでいくのかと――」

 ……それは申し訳なかったな。

 いや、そもそもお宅がなんだか知らないが、うちに恨まれるようなことをしたんだが、と思いながらも、

「長い間、申し訳ありませんでした」
と祟った先祖に代わって頭を下げると、頼久は、

「いや、こちらも申し訳なかった。
 先祖がそちらの先祖の最愛の許嫁を奪ってしまって」
と頭を下げてきた。

 ……そんな話だったのか。

 だが、なんだかんだで、子孫が残っているということは、うちの先祖も誰かと結婚して、それなりの暮らしをしたのだろうから。

 そのときは恨んでそう言い放ったとしても、ずっと祟っていたはずはないのだが……。

 まあ、庭先で転んでも祟りにされてたようだからな、と思いながら、頼久に挨拶して縁側に出ると、夏菜が障子に影の移らぬ位置で待っていた。