今夜、あなたに復讐します

 


 やはり迫力がすごいな、と頼久を前に正座した有生は思っていた。

 夏菜はお茶を出してくれたが、すぐに引っ込んでしまう。

 さすがの自分もこの頼久を前にすると、小童(こわっぱ)みたいだなと思っていると、夏菜が去り際、障子の隙間からこちらを見て、

 社長っ、頑張ってくださいっ、という感じの視線を向けていた。

 ……なにを頑張ればいいのかわからないが。

 いや、俺はお前を迎えに来ただけなんだが。

 だが、この雰囲気、まるで、アレに似ている、と有生は思う。

 偉いグルメの人みたいな頼久が鋭い眼光で自分を見つめてくる。

 この状況、なんだか、お嬢さんをください、と言いたくなる感じなんだが……。

「君が御坂(みさか)の七代目か。
 我々を祟り殺そうとしている」

 いや、祟り殺す気はございませんし。

 そのような技術もございません、と有生は思う。