今夜、あなたに復讐します

 


 今もそのスリの銀次が物陰からこちらを見つめている。

 スリだからだろうか……。

 いや、バレバレだが、と思っていると、夏菜が、

「まだ早いですし、お茶でもいかがですか?」
と微笑み、言ってきた。

「いただこう」
とスリを横目に見ながら、有生は言う。