犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

「ギルドへ応援要請はしたけれど、近隣の冒険者はすでにお宝祭りで集まっている状況。ほかに戦力になりそうな上級冒険者は、最短で2日後。国に兵を要請も同時にしていますが、こちらも早くても2日後……。これから急がせるにしても、明日までは期待できないでしょう」
「ちっ。それじゃぁ、1日は俺たちだけでアレの足止めをしなくちゃいけないってことか……くそっ」
 ルクマールさんが悪態をつきました。
「あなたと金狼の二人がいても、明日までの足止めすら難しいというの?」
 ルクマールさんが小さく首を横に振りました。
「ドラゴンだ」
 フィーネさんが首を傾げる。
「ドラゴンスレイヤーであるあなたたちなら、足止めどころか討伐もできるんじゃないの?」
「無理だ。ドラゴンの弱点と言われる首の根元に、刃が立たない」
「え?」
「それだけじゃない。ドラゴンの首が9つ。尾が9つ」
 九頭竜?
 八岐大蛇?
 頭の中で和風のドラゴンを想像する。
 首の根元がつながっていれば、弱点になりえないんですね。
「なんですって?」
 フィーネさんが顔色を悪くした。
「まるで、一度に9体のドラゴンを相手に戦っているようなもんだ。とてもじゃないが、足止めだけでも、俺たちだけでは……」
「9体のドラゴン……」
「A級冒険者一人にB級冒険者5人のチームが4つ、A級2人にB級2人のチームが3つ、それから、俺、金狼で、首1つずつと対峙している。俺が抜けた今、金狼が2つ抑えているはずだ」
 フィーネが頭を押さえた。
「C級も回した方がいいかしら」
「いいや、人数ばかり増やしても、足を引っ張る可能性がある……できれば、A級以上、少し俺たちと交代してもらえる人間が欲しい。この状態で1日はとても無理だろう」
 フィーネが爪を噛みました。
「思っていたよりも状況は悪いようね。9つの頭があるドラゴン、ドラゴン共通の弱点である首の付け根に刃が立たない……。情報がないか調べてみるわ」
「ああ、頼む。俺は戻るよ。坊主、ありがとうな!」
 と、ルクマールさんはすぐにダンジョンへと戻っていった。
 情報……。
「フィーネさん、鑑定魔法で、弱点とかそういうの分からないんですか?」
「鑑定魔法……戦闘力や属性は分かるけれど、火属性だと分かっても、火に耐性があるとは分かるけれど、弱点までは……ああ、もしかしたら、王都にいる、上級鑑定士であれば……」