犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

「だったら、行って……。私、バーヌのことが心配になってちょっと辛いけど、でも、大丈夫。ちゃんと生きて戻ってきてくれるって約束してくれるなら、ボクも、ボクにできることをして、バーヌの帰りを生きて待ってるから。ね?バーヌが、みんなのために頑張ってくれるの、ボク、嬉しいから」
 危険な場所にバーヌを行かせることは不安でどうしようもない。
 だけれど……。
「フィーネさん、バーヌを、奴隷でなく冒険者として扱ってください。誰かのおとりにして犠牲にしたりとかそんな扱いじゃなく、他の人達と同じように協力して戦う仲間として」
 ぺこりとフィーネさんに頭を下げます。
「はっ、当たり前よ。金狼をおとりにできるような冒険者なんているわけないわ」
 また、きんろうという言葉が出ました。
「ジョジョリッ」
 フィーネさんが後ろを向いて大きな声を出せば、すぐにジョジョリさんが普通よりも少し長めの剣を1本持ってきた。
「ダンジョン産の剣。買い取った中で一番の上物よ。とはいえ、あなたには物足りないかもしれないけれど、今回の討伐の間貸し出すわ」
 一番の上物を、バーヌに?
 バーヌがジョジョリさんから剣を受け取ると、しっかりと手に持って二三度ふっています。
「悪くない」
 バーヌが私の顔を見ます。
「ご主人様、ではいってまちゅっり」
 ほっぺたぶにーです。
 どんな場面だって、ご主人様って呼ぶのは許しません。
 バーヌは嬉しそうに尻尾をぐるんぐるんと振ってダンジョンへ向かってかけていきました。
 ……あれ?本当に頬っぺたぶにーはタダのご褒美になってませんか?なんであんなに嬉しそうなんでしょうか。
「ありがとう。ユーキ、君が金狼の主人だったことに感謝するわ」
 きんろう=バーヌで間違いないようです。
 そして、間違ったことはちゃんと否定しないと。
「バーヌを奴隷じゃありません。奴隷紋みたいな模様が腕にある、僕の……」
 家族ですと、そう言おうと思いましたが、この世界の家族の形がいまいち分からないので言葉を飲み込みました。
 それこそ、家族だからと、子供だからと、奴隷のように扱う家父長制度みたいものがあるかもしれませんし……。
「バディです」
 顔を上げて、はっきりと口にします。
「あら、そうなの?私はてっきり……。だって、どう見ても金狼の方は……」
 はい?