犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 ああ、なんか、すごくこちらまで微笑みたくなる笑顔です。
「いいんです。とても助かりました。ありがとうございます。気を付けてダンジョンに行ってきてくださいね。夜、待ってます」
 丁寧に頭を下げてから、にっこり笑って手を振る。
「ああ、うん、ありがとうな。お土産持っていくよ!」
 お土産?
「おいおい、ルクマールお前、土産なんて彼女にだって買っていったことないだろう」
「いや、なんだ、ああして頭を下げられるのって気持ちのいいもんだな。大切にされてる気がするじゃねぇか。気を付けてと身まで案じてくれたぜ?それに、まぁ、こっちもちょっと世話になってるからなぁ」
 世話……まぁ、水虫のことはあまり人に言いふらすことでもないですし。
「そりゃ、お前だからだろ?」
「いや、坊主は俺のこと知らなかったみたいだぜ?そもそも知ってたら、看板作ってくれとか言えると思うか?」
 は?
 え?
 なに、もしかして有名人なのでしょうか?
 いやいや、だって、水虫を映してお母さんにご飯抜きって言われて悩んでいた人ですよね?
「【鑑定】」
【鑑定
 名前:ルクマール
 続きはWEBで】
 ルクマールと検索窓に入っているので、そのまま虫眼鏡の検索実行ボタンをぽちっと。
 へ?あれ?検索結果の別枠に……ウィキページ、ルクマールと出ています。
 今まで気が付きませんでした。
「ウィキページ?って、ええええ?」
 ウィキページって、有名人とかの情報がまとめられているやつですよね。ってことは、ルクマールさんって有名人……。
 なんで有名なの?まさか、水虫のルクマールで有名とかじゃないですよね?うつるぞ近寄るなとか……避けられているようには見えませんでしたけど。
 かわいい熊耳イケメンとして有名なのでしょうか?
 熊耳アイドル……アリです。
「ご主人様……」
 ん?今の声はバーヌ?
 振り返るとバーヌが棒立ちになって、じーっとこちらを見ています。
「どうしたの、バーヌ?」
 近づいて声をかけると、バーヌが深いな表情を見せる。
「臭い……」
「え?何が?ごめん、えっと、なんだろう」
 知らないうちに何か変な草でも触ったかな?バーヌが犬の獣人だとすると、嗅覚が鋭くて、人が感じない匂いまで気になるなんてことはあるよね?
 バーヌの手が伸びて、私の肩をぱんぱんとはたいきました。
「肩に何かついてた?」