犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 ほっ。よかった。
「だけど、あまり私ばかりがもらいすぎてしまうと、心苦しい。せめて半分ずつと」
 いいひとすぎますよっ。
「駄目ですよ。仕入れるためのお金もあるんですから。これだけのサイズのモモシシです。タレを作るにはどれくらいの材料費が必要ですか?昼間のことを考えると、パンも多めに用意したほうがいいかもしれません。ほかに、モモシシを使った料理で作れそうなものはありますか?そのために必要な材料を買ってきてください。それから調理器具や必要なら食器類もいるでしょうし、半額券もこれからも使うのであればもう少しちゃんと作ったほうがいいでしょう。メニューを準備したほうがいいかもしれませんね。自立するように加工した板の看板開いたり閉じたり持ち運びも容易な方がいいでしょう。メニューは日によって違ってくるでしょうから、板に直接書かずに紙に書いて貼ったほうがよさそうですね。それから、屋台のお客さんを街にあるダタズさんの店へ誘導するために紹介もどこかにしておくといいかもしれません。ああ、そうだ、通りと番号と店の名前を屋台の店の名前にして……」
 と、ペラペラとまた思いつくことを次々に口にします。
「すまん、坊主。ちょっと、もうちょっとゆっくり話してもらえるか?私は、何をしたらいいのか」
 ちょっと一度にいろいろ言いすぎました。つい、売り上げをあげるためにはどうしたらいいのか、店舗運営について考える癖が出てしまいました。
「夜に営業していただけるということなので、夜のメニューを考えて、材料を仕入れてきてください。それからすぐに仕込みを始めましょう」
「ああ、分かった。モモシシ料理か。まずはタレを作ろう。肉を焼いたものと、パンを仕入れて。そうだな、せっかくだ。モモシシシチューも作るか。煮込んでも柔らかくておいしいんだよ。このクルルの実をすりおろして隠し味に使うとより肉は柔らかくなって、味に深みも出て……おっと。妻に秘伝の味付けをペラペラしゃべるなってまた怒られちまうな……」
 ちょっとダタズさんが悲しそうな顔をする。

 ああ、きっとお店に奥さんと一緒に立っていた時にはよく繰り返されたやり取りなのだろう。
 奥さんの病気……。ダタズさんを鑑定したときに出てきた情報を思い出す。
 妻の病気を心配している情報があふれんばかりに出てきた。