犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 私が泣いてたのって、1時間もないよね?その間にこれだけ食べるものを獲ってきたっていうの?すごいんですけど。街の外まで出て帰ってくる往復の時間も必要ですよね?
 あれ?そういえば、バーヌの顔や体の汚れがきれいになってます。
「水浴びした?」
 バーヌが夏場にホースの水をかけてやると喜んで遊んでいた姿を思い出します。あ、犬のバーヌの話です。
「ああすいません。途中で川に寄り道をしました。申しわけありません」
 バーヌがはっとして耳を伏せました。
 いや、可愛すぎるぅ。
 怒ってないですよ。
「ちょうどよかった。服を買ったの。サイズ合わなければ、交換してくるから来てみて」
 さっきかったシャツとズボンを差し出すと、耳がピーンと立ち上がりました。
 か、可愛いぃぃ。
「ご主人様……」
 頬が紅潮しています。
 ふわっ。ちょ、なんかイケメンの紅潮顔って、フェロモンとか発する機能でもあるんでしょうか。
「今すぐご主人様を抱きしめたい……」
 ん?小さな声でバーヌが何かを言いました。何でしょう?
「何?」
「いえ、すぐに着替えてきます。ここにこのままいると、理性が……」
 理性?
 バーヌは路地に入って服を着てすぐに戻ってきました。
「ごめんね、もうちょっとカッコいい服を着せてあげられなくて……」
 せっかくのイケメンなのに勿体ない感じになってしまいました。
「今まで着た服の中で一番気に入っています」
 にこっとバーヌが笑います。
「ご主人様からの初めてのプレゼンt……」
 また、ご主人様って言いましたね?バーヌのほっぺをぎゅっと引っ張ります。
「で、これ、どうやって食べるの?」
 果物のほうはそのまま食べられそうですけど、……まさか、生肉齧るとかないですよね?
「これは食べずに売ります。いえ、調理済みの食べ物と交換してもらいます。そうですね、あそこに行ってみましょう」
 きょろきょろと何か探すしぐさをしたかと思うと、獲物を持ったままバーヌは通りの奥へと歩いて行きました。
 慌てて後を追いかけます。
 バーヌは1件の食堂へと入っていきました。
「すいません、ヌルク2匹とリリラの実を買い取っていただけませんか?お代は、2人分の食事と銅貨でください」
 店の奥から恰幅のいい女性が出てきました。おかみさんかな?
「【鑑定】」
 待っているだけでは退屈なので、おかみさんを鑑定します。