犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 いらなーいと思ったら破棄すればいいんですよね?
 稀有な存在じゃなければそのまま生きていたって別によくないのでは?
「僕は捨てられて2日たちました。1日ごとに、奴隷紋が半分ずつ赤く染まります。すべて、赤く染まれば死にます。奴隷と言う立場から解放されたわけではないので、逃亡奴隷と同じ位置づけになってしまうのです。ただし逃亡奴隷は線が黒く変化します」
「は?」
 ちょっとまってください、情報が多すぎます、えっと、何?
「あと、4日以内に新しいご主人様を見つけなければ、僕は死にます」
「え?」
 どういうこと?死ぬなんて突然言われても、理解できません……。
「破棄された奴隷は、自分で奴隷ギルドへ行き、破棄されたことを告げます。そうすれば、ギルドが新しいご主人様を期日までに探してくれます。破棄されても、奴隷という身分に変わりはなく、逃亡を防ぐためにこのような仕組みになっています」
 誰かに仕えなければ6日で死ぬ?
 た、確かに、役に立たなくて破棄することがあるっていうことは、わざと役立たずを演じれば破棄してもらえて奴隷の身から解放されるとかだったら……困るのかもしれません。えっと、えーっと……でも、たった6日で死んじゃうなんて……。
「あなたも、じゃぁ、奴隷ギルドへ急いで行ったほうが……」
 犬耳がぴくんと動きました。
「もう一つ、自分でご主人様を見つけるという方法があります。どうか、お願いです。僕のご主人様になってください!」
 ひぃー、土下座が始まりました。っていうか、バーヌがちょんっと足元で甘えるしぐさに似てます。

「だめ、無理だよ、その、ボクはまだ子供だし、お金もないし、えっと、奴隷を養えないから」
「大丈夫です、自分の食い扶持くらい自分で稼ぎます。いえ、ご主人様を僕が養います。奴隷ですから、食べ物を持ってこいと命令していただければいいのです!」
 め、命令……。
「あー、そ、それに、ボクはえっと、旅をしなくちゃならないし」
「大丈夫です。病になって、体の自由が利かなくなり、いろいろな事情が重なって奴隷落ちしてしまう前までは、冒険者をしてたので、旅には慣れています。護衛としても役に立つと思います」
 護衛?
 もしかして、1か月に1回の乗合馬車に乗らなくても次の街に移動できるようになるのでしょうか?