犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 それにしても、検索結果に「ジョーンさんは昨日街を出た」とありました。ということは、今日の朝の出来事が、こうしてすぐに検索結果に反映されてるってことですよね?
 インターネットですら、そこまで迅速に検索サイトに反映されないんじゃなかったでしょうか?
 なんでしょう、この鑑定の検索って。
 とりあえず、マイクさんがギルドに依頼をしたのであれば……いや、これから依頼をするのであれば、ギルドに行けば真実が分かりますよね。
 真実が分かれば、ジョーンさんがポーションを毒として売るつもりがなかったことが証明されるはずです。
 あ。

 視界の端にまだ表示されていた検索結果が、動いています。
 動いてって、新しい情報がキーボードをたたいているように、次々に表示されていくのです。
 

【隣町に伝達を頼むだけだが、大至急となるとどれだけの依頼料が必需になるのか。いや、お金のことをぐだぐだ考えている場合ではない。
 身の破滅だ。ジョーンさんもそうだし、僕も……。毒を、知らなかったとはいえポーションとして売ったとなれば……。もし、それによって誰かが犠牲になってしまったら……。
 急いで家に戻る。
「悪いが、あるだけのお金を出してくれ」
 妻に声をかけ、自分も家の中から金をかき集める。
「また、ポーションの材料で珍しい薬草でも買う気ですか?」
 妻はふぅっと小さくため息をつく。
「スマン、違うんだ……」
 娘の取った行動で、毒を売ってしまったことを話せば、妻は目に涙を浮かべて、急いで家じゅうからお金をかき集め、そして、大切にしまっていた祖母の形見も持ってきた。
「売ればいくらかのお金になるはずです。足りなければこれを……」
「すまん……」
「いえ、いえ……」
 今にも嗚咽を漏らしそうになる妻のもとに、娘がかけてきた。
「ねー、すごいの、来て、来て!」
 娘が妻の手を引いて小屋を出ていく。
 それを見送り、急いでお金を麻袋に突っ込み、自分の財産ともいえるポーションのレシピメモを手に取った。
 売れるものならなんでも売って金を作らないと……。
「あ、あなた、待って、待ってください……」
 家を出ようとしたところで、娘と一緒に妻が裏口から駆け込んできた。
「こ、これを……」
 妻の手には、小鳥が乗っていた。
 チュチュチュと鳴きながら、美しい羽根を毛づくろいしている。