犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 日本で、節約生活して200万として、その100年分……に、二億。
 もう少し贅沢な暮らしをしていたとしたら、5億ぐらい?
 お、億単位のお金……。
 ニコニコと嬉しそうなバーヌ。
「ごめんなさい、バーヌ。頑張ってお金貯めても、すぐには無理かもしれません……」
 どうしよう。
 どうしたら、たくさんお金が稼げるのでしょう。
「ねぇ、バーヌ、ごめんね、って、なんでバーヌはそんなに嬉しそうな顔してるの?もうっ。また、3回回ってワンって言わせるからね!」
 バーヌが素直にくるくると回り出そうとしたので、ぎゅっと抱き着いて動きを止める。
「あー、やらなくていいっ、うわぁ」
 バーヌが私を抱き上げ、ぎゅっとしたままくるくると3回回りました。
「ワンッ」
 ワンじゃなぁーい!

 フィーネさんのつぶやき。
「いったい、あの子はなんなの……」
 ジョジョリさんが反応した。
「すごい子でしたねぇ。あの金狼を奴隷に持ってるなんて」
 フィーネさんがふっと小さく息を吐きだす。
「奴隷ならば、幾らでもお金を積みさえすればすごい人を持つことができるわよ。それよりも……あの子の鑑定能力は何なの?」
「鑑定能力のなせる業ではないでしょう、発想力に今回は助けられたのだと思いますよ。弱点が喉だと、首の付け根ではないと……。こう、人間、自分たちの体を使って発想するなど」
 喉仏を抑えるクラノル。
「それもあるわね。あの子の価値は鑑定能力になんてない。屋台を出し、騒動一つ起こさずに人を並ばせ、売り切れ後にも文句を言わせなかった。試食だと私たちに食べ物を持ってきたのも考えてやったとしたらさすがだわ」
「確かに、商才はずば抜けてありそうでしたね。半額券というものを配っていたそうですよ。半額で売るなんて損にしかならないと思いますが……話を聞けばそうでもなさそうです」
「そうね。もう一度足を運んでもらえて、味を覚えてもらう。並んでも手に入らなかったという苦情を収めるだけでなく、もう一度足を運ばせるなんて、奇跡的な方法よね」
 ジョジョリさんがクラノルさんとフィーネさんの会話を聞きながら、なるほどと頷いている。
「計算も早かったし、礼儀正しい、貴族かどっかの隠し子で相当教育されてるとか?」
 そこにルクマールが渋い顔をしてやってきた。