犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~

 ああ、また癖で頬っぺたびろーんしちゃったけど、やっぱりうれしそうな顔。
「奴隷解放するのにはお金がいるんですよ、ユーキ」
 はい。知ってます。
「ダタズさんの奥さんがそう言っていました……いくらいるんでしょう……」
 報奨金が出ると言っていましたし、足りないのなら一生懸命働いて貯めます。ダタズさんが貯められるのであれば、私にも貯められるんじゃないでしょうか。少し時間はかかるかもしれませんが。
「奴隷によって違うんですよ。売られた時の値段が解放するための価格です」
 ニコニコとバーズは笑っています。
「え?そうなの?えっと、バーズはいくらあれば解放してもらえるの?」
 バーズは笑顔のままさらりと答えました。
「僕は高いですよ。治らない進行性の病が発覚した後、価格が下がる前に高値で売りに出しましたから」
 え?
「見た目も能力も、今とほぼ変わらない状態のときに、売りに出しましたから」
 はい?
 見た目は、すんごくかわいいです。耳がぴくぴく動くのも、尻尾が嬉しそうに揺れるのも、もう、めちゃくちゃかわいいです!
 親バカだとか何だとか言われようとも、これは譲れません。
 え?世間的にはイケメンって方に価値があるんですか?知りません。
 世間的には肉体美にも価値があるんですか?関係ありません。
 バーヌの魅力はそんな容姿的なところにはないんですっ。
 能力と言うと、嬉しそうに尻尾を振る能力ですか?もふもふしたときの柔らかな髪と、温かい耳の感触ですか?
 あ、違いますか。冒険者として有能な戦闘能力の話ですか。……確かに、強いのってすごいですが、それよりも、癒し能力のほうがすごいと、はい、わかりました。私の感覚は、とっても親バカなのですね。
 うちの子すごい。っていう親バカ感覚……。
「高級奴隷どころか、超高級奴隷ですよ」
 ニコニコと相変わらず笑顔のバーヌ。
 自分が価値が高いことに誇りを持っているのでしょうか。
 でも、笑いごとではありません。
「もしかして……今回の報奨金程度じゃ、とてもじゃないけれど足りないような額ってこと?」
「報奨金がいくら出るのかは知りませんが、そうですねぇ、普通の人が1年暮らせるお金の100年分くらいの金額です」
 ひゃ、ひゃ、ひゃ……。
「百年分っ?!」
 1年暮らせるお金ってどれくらいでしょう。