「・・・・・・な、なんだ・・・・・・
君は一体・・・・・
誰だ・・・・」
アパートの扉をノックした宗平が私の返事がないことに痺れを切らし強行突破してきた。
せめて玄関で靴は脱いで欲しい。
ここは日本なのだから。
今宗平は肩のTシャツがずり下がる私を前に冷や汗を流している。
きっとこの人、子供が苦手なタイプだ。
「いや、私はいつもの伊東織果でしゅ。
ただほんの少しばかり背が縮んでしまいました。」
・・・見上げると宗平は固まったままだ。
普段の私は20歳。花の女子大生。
でも今の私は多分5歳くらい。
朝起きたらこんな姿になってしまっていた。
さすがに宗平は小学生にもならない5歳となるとどう扱っていいか分からないのだろう。
靴のまま立ちすくむ彼が私を蔑むような顔で見下げる。
きっと宗平にとっては苦手よりも嫌いな部類に入るのかもしれない。
参ったな・・・
真っ先に宗平に見られるなんて・・・・。
「オルカ・・・・?」
「あい。」
宗平はイライラして幼女でも殴ってくるかもしれない・・・・。
でも私はちっちゃくたって無敵・・・・
無敵のはず!
大丈夫!!
万が一殴り掛かって来ても殴り返す!!
宗平が私に手を伸ばす。
私は触られるよりも先に、バッと走り出すと、宗平の脛目掛けて殴り掛かった!!
「っえいっっ!!!!」
ぽすっ
・・・・・・あ、あれ、
手応えぽすって・・・・・
おそるおそる上を見上げると、宗平の顔が闇に覆われている!
き、きけん、これは危険!!
えまーじぇんしー
えまーじぇんしー
近付いてくる大きな手に私はきゅっと目を瞑った。
ふわっと自分が持ち上げられるのがわかり、ちょっと怖くて両手できゅっと宗平のシャツを握り締めた。