うちの総長は、美しく気高く、総長としての風格がある女だった。


近付き難いと思われていた織果に少しでも近付こうとわざと喧嘩を売りに来る野郎共。

俺ら4人がなるべく近寄らせないよう、早いうちに片していた。



それが今じゃこれだ。



「織果ちゃん、あのコンビニでお菓子買ってあげるからお兄ちゃん達と遊ぼうか?!」

「・・・お菓子??お菓子ってなあに?」

「んーそうだなあ、何がいっかなあ。
ああ!あれは?バニラの棒アイス!!お兄ちゃん達と一緒に舐め舐めしない?」

「えー・・・・・織果、アイスよりも食玩が欲しいなあ~。」

「分かった!食玩も買ってあげるからさ、ね、だからアイスも一緒に食べよ??」



前よりももっとひどいことになっとる!!!!



大体何でアイツは1人歩きしてんだ!!

あれだけ1人で家から出んなっつったのに!!



「おい、お前ら。織果に手ぇ出すたあいい度胸じゃねぇか。」

「わッッ!!す、すいません一氏《いちうじ》さんっ!!」


しかもよりにもよってうちの高校の連中じゃねぇか!!


1人は眼鏡、1人はデブ、もう1人もデブ。
不良じゃないだけマシだがオタクのロリコンに目を付けられるのも大概だ!


「りおーお兄たん、織果、このお兄たん達に食玩だけ買って貰うからちょっと待ってて。」


アホか!!

コイツも子供でいる時間が長すぎて変な知恵がついてきてしまった。

可愛さを利用して直ぐにたかろうとする!