「・・・"好き"とかそんなんじゃない。てか何でお前がここに」
「"そんなん"じゃない??じゃあ、なに?
なんで、一緒にいるの・・・?」
「・・・もっとずっと深いもんだよ。」
「・・・へえ?」
アプリコット色の髪が後ろの木々に映えて綺麗だな、なんて思ったのに、
切なげな目をするハン君の心の内が
見えない。
「ジャマなのは、あの高校生たちだけだと思っていたのに・・・。本当の敵は、"灯台もと暗し"??って日本では言うんだっけ?」
「お前・・・やたら上手いよな、日本語。」
「まあ、
韓国にいる時から、ずっとずっと、勉強してきたから。」
ハン君が足元にある石ころを拾って、もう一度元の姿勢に直ると
私の前に立つ凌久が一瞬動いたように見えて
刹那に隣のブランコが揺れた。
キコキコと鎖がひしゃげた音が鳴る中、凌久が自身の頬を掌で触る。
頬から離した掌には、赤い粘度がありそうな血液がべっとりとついていた。
「っっ?!!」
薄く擦れて切れたような血の出方じゃない。
・・・深い。
多分、ハン君が拾った石を投げたのだろう。
でも、全く見えなかった!



