幼女総長と不良たち



「・・・もしもし」

『もっしも~し♪織果ちゃ~ん☆』


明るい声が耳に響いて、凌久とのシリアスな雰囲気がどこかに消え去ってしまった。


「どうちたの??」

『昨日俺行けなかったからさあ~、織果ちゃん怒ってるんじゃないかと思ってー。ご機嫌取りで電話してみたの☆』

「・・・」


怒るわけないじゃん。

三潴の本当の用事、全部四竃から聞いたんだから。


「昨日は、楽しかったでしゅか??」

『あ、デート?うんそれなりに楽しかったよ~☆』

「女2人をテイクアウトした感想は??」

『あー、そっちね!うんうん、その場で食べてけないからね!やっぱテイクでアウトだよね!』

「うん」

『その場で食べると風邪引くからね!!なんせ外だし!終わった後、打ち上げられたアザラシみたいになるしね!』

「うん」

『両手に担いでお持ち帰りだよねやっぱ☆』

「うん」


『・・・って何で知ってるのーーー?!!?』


耳がキーーーンってなった。

スマホを思わず耳から離す私の仕草に、遠くから凌久が怪訝そうな顔で見つめている。


でも私はもう一度両手でスマホを持ち直すと、三潴に一番伝えたい言葉を言った。


「三潴!・・・いつもありがと!!」


三潴の明るいトーンに負けないよう、はっきりと伝えた・・・つもり。

自分から伝えておきながら目頭が熱くなって、でもそれを吸い込むようにゆっくりと瞼を閉じた。


『・・・んーと・・・テイクアウトしてお礼を言われる意味が分かんないけど、ちょっと俺からも言わして?』

「え?」

『俺たちの総長でいてくれてありがとね織果ちゃん。大好きだよ☆』

「・・・・・」


ムカつく。

意味が分からないなりに、それをさらっと言えてしまう三潴はほんと大人か子供か分からない。

涙腺がまた緩んでしまいそうになる。