ほんのり桜色に染まっていた宗平の身体が白い肌に変わっている。
それは私の腕を後ろからスポンジで洗ってくれている宗平の手を見て気が付いた。
「宗平は肌がきれいでしゅね。いいなあ。」
只思ったことを口にしただけ。
でも、宗平はその言葉を重く受け止めてしまったようで・・・
「・・・オルカも綺麗な肌なのにね、」
「・・・?」
「肩に僕たちの咬み痕が薄く残ってる・・・。」
「ああ、べちゅに今さら、」
「少しでも上書き出来たらって思ってたけど結局君を傷を付けるばっかだ・・・。」
「・・・・え」
あの事件で、押し付けられた煙草の熱が痛くなかったと言えば嘘になる。
それを、なに?
上書き??
お風呂に響いていた声が沈黙に変わると、シャワーから滴る水滴が音を立て始めた。
今の言葉の意味を聞こうとしたら、宗平に先を越されてしまった。
「うちの母親はさ、DVなんだ。
僕も兄さんも母親には殴られて育ってさ・・・」
「・・・・」
・・・何と返せばいいのか、
急に私が聞こうとした話とは違う話をするもんだから、発する声がどこかに消えてしまった。
「それでいて兄さんは、僕よりも出来が悪いって周りから蔑まれる存在でさ。
身も蓋も無いけど、憐れ、だよね。」
「・・・・・」
「正直僕も兄さんを馬鹿にしていた時期はあるんだ。」
・・・洸太郎が言っていた。
「宗平も自分を馬鹿にしている」って。



