スタート地点で



良二が自分の立ち位置に立ったまま



横並びのアラタに声をかける。




「おいっ。アラタ。



何だよお前。今年は出ねえって



言ってたじゃん。



あらポンのはずだろ?



汚えな。作戦かぁ?」



「違うって。ほんとに



いろいろ…あったんだよ」



スタートラインにしゃがみながら



アラタが答える。



「何だよ。ほんとかよ。



…話が違うじゃんかよ」



納得できず、まだグチる良二。



両手を、ついて腰を上げる。



「マジなんだって!」



話す2人をよそに



「位置についてー…」



パァンッ。



はじける音と共にスターターから煙が上がり。




若業生が、口々に騒ぐ歓声のなか




アラタたちは



走り出した。