「お。板垣さんじゃん。



帰るのー?可愛ええ



バイバーイ♡」



学校からの下校時間。



話したこともないのに、手振ってくる先輩。



「板垣って、あれ?



2年の◯◯って…



生、ヤベエ(笑)」



コショコショ。



遠目で



小声で話す男の子たちの声。



そんなの



全部 シカトだし。



わたし、板垣萌(イタガキモエ)



17歳。高校2年生。



「萌。



ほんと、すごいね。



モテモテ。」



なんて、2年生になって仲良くなった



斎藤紅葉(さいとうくれは)



言ってくれるけど。



フッ。



冷めた顔で萌は笑って




「違うから



モテてんのはコレだから」



自分の胸を指す。



そう萌の胸は



…Fカップ。



萌は色白で背がちっさくて



ただのぽっちゃりなんだけど、



目が丸くて、



小さくプルンとしたくちびる。



童顔でちょっと舌っ足らずな声。






 
なんて名前も



全部、全部



そういう風に…



ハッキリ言うと、エロく?



見られて。



そういう風にみている



男の子たちが寄ってくるだけ。