だけど驚くことに、後日彼女はなんと、本当に髪型を変えて登校してきた。


長かった前髪をバッサリ切って、三つ編みだった髪を下ろして。


可愛くなった彼女を見て、周りの奴らもざわついていたけれど、たぶん俺の心が一番ざわついていた。


だって、マジで変えてくるなんて思わなかったから。


思わず「俺が言ったからそうしたの?」なんて尋ねたら、ヒナはちょっとうろたえながらも、真っ赤な顔で頷いた。


素直に認めるところがまた、可愛すぎる。


それってつまり、俺に褒められたのが嬉しかったってことだよな?


なんかまるで、俺のために可愛くなろうとしてくれたみたいじゃん。


こんなピュアで可愛い反応する子、今まで出会ったことないんだけど――。


その時から、俺はヒナにすっかり心を持っていかれてしまっていた。


もっと彼女のことを知りたいし、もっと近づきたい。そう思った。


照れたように真っ赤になる顔も、嬉しそうにはにかむ顔も、全部俺だけに見せてほしい。


ヒナがこんなに可愛いってことは、俺だけしか知らなくていい。