江奈ちゃんにそう言ってもらえると、やっぱり嬉しい。


「ありがとう。なんとなく、変えてみようかなって思って」


「いいと思う! 雛乃は元が可愛いんだから、どんどん自分アピールしていこう!」


「えぇっ、そんな……っ」


「ほんとだよー? だからもっと自信もって!」


そう言って、私の肩をポンと叩いてくる彼女。


うぅ、やっぱり江奈ちゃんと話すと元気が出るなぁ。


少しは自信を持ってもいいのかな。


そのまま自分の机まで歩いていき着席した私は、いつものようにカバンの中身をしまう。


だけど、いまだにどこか落ち着かなくて、そわそわしていた。


翠くんは教室にいないみたいだけど、まだ来てないのかな。


いつも朝練が終わってから来るし、そろそろだよね。


この髪型、彼が見たらどう思うかな。


別になんとも思わないかな……。


「おはよー」


するとその時、教室の入り口のほうから聞き覚えのある声がして、ドキッと心臓が跳ねた。


顔を上げると、ちょうど今教室入ってきたばかりの翠くんの姿が。