美羽にとって俺はたぶん、ただの幼なじみでしかなくて、一緒に育ってきた兄妹みたいな存在かもしれないけど。


俺にとって美羽は、そうじゃない。


いつからなのかもう、はっきりと覚えていないくらい、ずっと前から俺は美羽のことが好きだった。


対する美羽は、鈍感すぎて俺の気持ちになんてまったく気づいてないけど。


「あの……俺まだ服着てないんだけど」


平気な顔で俺の目の前までやってきた美羽に、渋い顔で声をかける。


そしたら美羽はケロッとした顔で答えた。


「え、いいよ。待ってるから、ゆっくり着替えて」


このとおり、俺が上半身裸でも照れもしないし。


なんだよ、もうちょっと意識しろよ。