そこでふと思いだした私。


「あ、そうだ! 私、いいのど飴持ってるよ!」


そして、カバンからいつも持ち歩いてるハチミツ味ののど飴を取り出すと、雛乃に3個ほど渡した。


「はい、これ。美味しいし喉にいいみたいだから、よかったら舐めてね」


「わぁ、ありがとうお姉ちゃん」


「どういたしまして」


その飴を受け取った瞬間、雛乃が気が付いたように。


「そういえば、お姉ちゃんっていつもその飴持ってるよね」


「あぁ、うん。だってこれはカケルくんお気に入りの飴だから、いつもカバンの中に常備してて……」


だけど、言いかけたところで、急に昨日の玲くんの話を思い出す。


そういえば、玲くんの好きな子もたしか、のど飴をくれたとかって……。