あまりの衝撃に一瞬背筋が寒くなって、それからドクドクと動悸がしてきた。


なんで……?


翠くん、なかなか来ないなと思ったら、どうして春田さんと一緒にいるの?


どうして二人が抱き合ってるの?


翠くんの胸にしっかりと顔をうずめる春田さんと、彼女を見下ろし背中に手を添える彼。


その手首には、先ほど見た彼女の手作りのミサンガがはめられていて。


表情までははっきりと見えなかったけれど、その様子から、二人が親密な関係であることは明らかだった。


それじゃ、翠くんはやっぱり春田さんのことを……?


春田さんのことが、好きなの?


いつのまにか、抱き合うような関係になっていたってこと?


そんな……。


じゃあ、今までの私への態度は一体何だったのかな。


どうして今日も私に、一緒に帰ろうなんて誘ったんだろう。


あまりのショックと混乱で、頭がクラクラしてくる。


もう、翠くんとどんな顔して会えばいいかわからないよ。


とてもそれ以上彼を待つ気になれなかった私は、【急用ができたから先に帰るね】とのメッセージだけ残して、走って家に帰ることにした。


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