到着したのは午後一時過ぎ。これから準備をはじめ、夜にかけてバーベキューをする予定になっている。そのための食材もしっかりと積んできた。

外に出ると、ちょうど一慶と晴臣がバーベキューの荷物を下ろしているところだった。その周りには女子が群がっている。


「わっ、これおもーい」


手伝おうとした紀美加や琴乃が甘えたような声を出す。


「俺たちが運ぶからキミたちは椅子でも並べてて」


晴臣に王子様スマイルで言われ、「キャー! イケメンなうえに素敵!」と黄色い歓声をあげながらアウトドアチェアを運びはじめた。

晴臣は一慶とは双子だが、二卵性のためか瓜ふたつではない。
一慶はどちらかといえば鋭い切れ長の目だが、晴臣はくっきりとした二重瞼の穏やかな目をしている。ただ鼻筋はふたりとも通っており、そこはよく似ている部分だ。

どちらも街を歩けば人の目を引く容姿の持ち主である。
性格的には、ちょっとぶっきらぼうなところのある一慶に対して、晴臣は紳士で穏やか。女性への気配りも細やかだ。