美紅の涙に気づいた彼が、ハッとして力を緩める。その隙を突き、美紅はどうにかこうにか一慶を突き飛ばして逃れるのに成功した。


「いっくんのバカ!」


溢れた涙を拭い、ふらつく足で自分の部屋に駆け込む。

ドアを勢いよく閉め、そのままそこにへなへなと座り込んだ。