「でも式の最中、俺がなにを考えていたのかわかる?」
「……え?」
横に並んだ一慶の顔を見上げた。
「早くそのドレスを脱がしたいって、そればかり考えてた」
「なっ……、いっくんのエッチ!」
思わず腕をペチンと叩く。
一慶の目は笑っておらず、本気なのがわかるだけに恥ずかしくてたまらない。
「だから、これ以上俺を待たせるな。早くふたりきりになりたい」
耳もとで囁かれ、みるみるうちに美紅の顔が赤くなっていく。
今夜は披露宴を執り行ったホテルに宿泊する予定だ。これから訪れる甘い時間を勝手に想像して、胸が異様なほどに高ぶる。
極めつけに優しいキスをされ、美紅自身の体も熱くなるのを感じた。
「じゃ、外で待ってるから。早く準備しておいで」