一慶と両想いに――。
そう考えるだけで胸は早鐘を打つし、顔はカーッと熱をもつ。
長年溢れないように抱えてきた想いから、いきなり蓋が取り払われたのだ。暴走しても仕方がないだろう。
「どうしたらいいのっ」
クッションを力強くぎゅっと抱きしめ足をばたつかせた瞬間、左足に鈍い痛みが走る。
「――イタッ」
美紅は完全に舞い上がっていた。
こうして見悶えていてもはじまらない。道に迷ったときに見つけた花をモチーフにアクセサリーを作ろうと思い立ち、美紅は自室にこもった。
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