自由に羽ばたくキミが

フィルムカメラ、しっかり撮影する時の為のデジタル一眼レフ、そしてサクッと撮れて持ち運びにも困らないコンデジ、コンパクトデジタル一眼。


レンズが付け替えれないだけで、画素数や撮影モードの切り替えはそれこそ携帯くらいの手軽さのわりに本格的。


その3台を使い分けるくらいには撮ることが好きな咲名、差し出したコンデジを中田がパソコンに繋げば、見せられそうな写真を厳選してデータを同期、フォルダーを作ってどうぞ、とそこからは進行を任せた。


「モニターに映しますね」


危なかった、向こうを出る前に適当に差し込んだメモリーカード。
それによってはタトゥーだらけの人物や自分、ちょっと治安の悪そうな場所での写真だらけだった。


「日本に帰ってくる前、向こうの景色とか…仲間?を撮影したものです。
特に珍しいと思って撮ったものでは無いので、本当にただ日常というか」


「…これが、日常?」


「補佐さんにとっては当たり前ってことだろ」


建物、写り込む人、文字、全て日本とは異なる物だから、咲名にとっての当たり前が普通に珍しいその場の人達。


「飲み屋ばっかだな」


「撮れってうるさいのよ、酔っ払いは」


ツーショットは上手く隠した咲名、向こうではわりと名の知れたバンドマンと肩を組んで撮った写真なんて見せられない、と守りに入ったもの。


主に晴人を警戒して、だけど。


「お洒落だなぁ、画角も写ってるものも!」


「みんな楽しそうやな!音まで聞こえてきそうやん!」


「年齢も性別も多分人種もバラバラ、だけど隔たりのない雰囲気が伝わって…」


聡、竜太、晃、それぞれが感想を伝える。


「BGMに合わせて体揺らしながらお酒飲んだらもう仲間、そんな人達に恵まれてました」


「ふふ、上手いこと自分隠して、補佐さんも見たかったのに」


バレましたか、なんて苦笑いを向ければ、分かってたけど、みたいな顔を向けてくる晴人。


「見せられない訳ではないけど、こういう写真の方が分かりやすいかと」


「うん、じゅーぶんです、ありがとう」


「照さんが連れてきた理由分かったよな!」