自由に羽ばたくキミが

「あの、他にはもうないですか?」


メンバー同士楽しそうにし始めたから、もういいでしょって。


「補佐からは?」


「大丈夫です、ありがとうございます」


え、ないの?他には?俺達はまだあるのに終わりの雰囲気出されたら聞けないじゃん、なんか同世代だし普段何してんの?みたいな感じとか。


つまり仲良くしていく為の、やりとりとか。


相手を知ろう的な感じは、ないの?


メンバーの気持ちを代弁するならこう。


だけど咲名はそんな事より。


あのケバ嬢三人組に顔目当てだとか色々言われそうだから適度な距離を保っていたい、結局はそんな所を気にしてしまう面倒を避けたい一心。


「あー、…まだ明日も現場で一緒だから、続きはその時にでも。
今日こいつ時差でフラフラしてっから、勘弁してやって」


「はーい、じゃあ俺達もミーティングに戻ります」


「社長、はよデビュー決めてやー」


「会う度にそれを締めの挨拶にするなよ」


背中をバシッと、激励の意味で軽く叩く社長。
余計なことを口走るまいと静かに過ごしたのは賢明な判断。


ぺこり、お互いに頭を下げてその場を離れたLIBERA。


「なんっか芋くさいのが来たな」


ストレートな聡。


「多分顔はいいんやろうけど、ダサすぎや」


分からんでもないがやっぱりストレートな竜太。


「香水臭いあの三人よりは楽そうだけどねー」


香水は苦手な瑞希、ただそれだけ。


「そうかな、絶対面白いよあの人。俺明日から楽しみ」


何故か機嫌が良くて、根拠もないことを言い出す晴人。


「…変わってんなぁ」


思いは述べずに四人の言ってることを聞くだけの晃。


取っ付きにくい相手は苦手だし、自分がそう思われやすいのも分かってるから。


だけど、何故だか。


「普通では、無さそうだけど」


見た?あのスーツ、あの歳でノーメイクって逆にすごい、と盛り上がるメンバーには、そんな晃の声は届かず。