自由に羽ばたくキミが

「各グループ、一緒の現場もある、合同でライブをしたり選抜でテレビや舞台に出たりまとめて雑誌撮影、もちろん別々の現場の方が多いけどな」


「え、待って…デビュー前でしょ?」


「研修生だ、ちなみにグループに所属してない研修生もまだいる。CDを出してないだけで同じタレントだと思えばいい」


「テレビ?舞台?ライブ?」


「先輩のバックに就いてる姿が人目に触れれば、デビュー前にファンだって出来るし。
スタキャ専用歌番組やデビュー組の冠番組にも出るし、売り方は様々、ドラマや映画にだって出てるやつらはいくらでもいる」


「映画は分かるわ…チッ」


何か思うことがあるのか、苦い顔をして舌打ち。


スタキャ、スターキャッスル。


星城という、一族の苗字を単純に英語に変えたもの。


星の城、スターキャッスル、分かりやすくていいような、うん。


「バーターでゴリ押しなんて言われることもあるけど、結果それで売れてるし。
実力主義の世界でそこを強みにしてきたスタキャのプロデュース力は、今じゃ日本屈指だ」


小さいプロダクションというのは。
力ではなく、ただ単純に規模の話。


大きくし過ぎだって管理しきれないから、というのが社長であり父親のやり方。


「世界を股に掛ける嫁捕まえといて何自分はこじんまりやってんだよ」


「自分じゃなくて、所属するタレントが世界に羽ばたけばいいと思ってるから」


「それ、は…カッコイイじゃん、後ちょっとで叶うじゃん」


初めて手懸けたグループがアジアデビューしたことをきっかけに、後に続くグループもそれを視野に入れて活動してる。


アイドルを育てるプロダクションだけれど、音楽性で言えば父親の才能のおかげで。


どこに出しても恥ずかしくはない、グループの特色に合わせたものばかり。


裏方の人間だって色んなところからかき集めた精鋭ばかりなんだから、ライブの音だって演出だってショーの世界では一流品。