TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





「いいぞいいぞ!!」
「ナイスディフェンス前園!!」
腰をしっかり落とし、相手にぴったりとくらいつき絶対に打たせまいとする気持ちの入ったしつこいディフェンスのユリに東京ベンチや応援席からは拍手が沸いた。



(自分だけを見てほしかった。



親にも、先生にも、翔真にも。



でも私が“もっと”を望むと、みんは離れてく…。

関東大会とインターハイ出場を目指す神崎監督が他校から必死にスカウトして口説いてきたガードの一年は確かに上手かった。
先生はチームに早くフィットするようにコミュニケーションを取っていた。

だけど、私にはそれは一つも面白くなんかなかった。
今までずっと私だけを見てくれて誉めて伸ばしてくれた先生が私を後回しにするようになった。

仕事を理由に私を後回しにする親のようだ。

正直言うと、バスケは家にいるのが寂しくて入った部活だ。
なんなら当時付き合っていた翔真がやってる部活だから選んだくらい。
一緒に帰れる本当はなんだってよかった。

中2の中途半端な時期から始めたのに、運がいいことに才能と素質はあったらしい。

それが次第に自分を苦しめるとは思わなかった。
調子いい時がずっとは続かない。
小学校のミニバスから地道に基礎を学び積み重ねてきた部員とは違い、素質と才能と勢いだけで活躍しだすと、チームプレーでは次第に自分の綻びが出てきた。

全国出場を逃した夏のインターハイ後、それが益々自分の首を絞めていった。