そう言いながらも先生はニヤついた笑みを浮かべている。


授業を聞いていても難しい数式であると、わかっている笑顔だ。


みんながうんうんうなって苦戦している間に、あたしは次から次へと回答を埋めていく。


隣の席のイツミもペンを休めることなく進めている。


15分間の抜き打ちテストはあっという間に終わった。


回答を埋めた後、あたしは大きく息を吐きだす。


やり切った感覚が体中に巡っているのがわかる。


突然のテストでここまで回答できたのは、初めてかもしれない。


自身もある。


解答用紙は列の後ろから集められて、先生に手渡された。


「全然できなかった」


「テストするなら先に言ってほしいよねぇ」


あちこちから文句が出るなか、教卓に集められた答案用紙を先生が次々と採点してく。