「でも、次々ノート貸すのってちょっと嫌な気分にならない? だから、イツミがヤヨイのノートを借りたときについでに見せてくれるとかでいいよ」


「そぉお?」


イツミはピンと来ないようで首をかしげている。


イツミ自身が誰かにノートを借りられることはないだろうから、わからないみたいだ。


「まぁ。それでいいならいいけどぉ?」


「ありがとう。ヤヨイには内緒にしててね?」


学級委員長のヤヨイ、イツミからの文句がうるさいからノートを貸しているのだ。


あたしが素直に貸してほしいとお願いしても、きっと断られてしまう。


だからここはイツミと仲良くなってお願いするのが近道だった。


「おっけーい」


イツミは深く考えることもなく、ニコニコと笑顔で了承してくれたのだった。