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本当に太一へ会いに行くつもりだった。


会ってなにが起こっているのか確認しないと不安でたまらない。


しかしさっき警察官が言っていた通り隣町へと続く道にはすべて警察官が立っていて、とても通れる状態ではなかった。


あたしは工場の敷地の手前で自転車を下り、そのフェンスを見あげた。


ここを上って工場の敷地を突っ切れば隣町へ行くことができる。


そう考えて自分の服装を見下ろした。


学校から飛び出してきてしまったので、もちろん制服姿だ。


それでもかまっていられない。


あたしは周囲を確認するとフェンスに足をかけて上り始めた。