《お前が好きだ。
子供の時からずっと…》
《やだ!離してよ》
《離さない。絶対に》

いいなぁ。
私だってこんな風に
抱き締められたいなぁ。
できれば、村薗先輩に……くふふ。
さ、さ、早く次のページ!

《…私、翔と付き合ってるの》
《嘘だろ?なんであいつと…?》

えー!そういう展開?
って、ここで次巻へ続く?
やー!待てない!
今すぐ続きが読みたいぃ!

「ったく、また漫画か?」
ちょうどコンビニから帰ってきた
佐山(さやま)さんが、
私の席の横に立って、
袋をゴソゴソしながら言った。

佐山さんは背が高いから、
横に立たれると迫力がある。
「今日でた新巻です!」

ふーん、と言いながら
佐山さんは袋からシュークリームを出して、
私の弁当箱の横にポイっと置いた。
そして、自分の席、
つまり、私の正面に座った。