「その傷、どうしている時にやられたの?」 と私が尋ねると、彼は 「アイツら、ナイフ持っててさ。それで5人がかりで攻撃してくるもんだから、ちょっと掠っちゃって」 と恥ずかしそうに答えてくれた。 ナイフ…しかも5人で…。 私だったら心臓刺されて即終わりだわ。 「セコイだろ?自分の力だけじゃ敵わないって分かってるから、そういう風に武器を使うんだよ。ほんと、そういう奴が許せねえ」 鮎斗くんの口が珍しく悪くなった。 「…そっか…」