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病院からも、警察からも色々なことを聞かれた。



けど、私はさっきと同じようにあまり上手く答えることができなかった。



強いて言えば警察には前に記憶しておいたナンバーを言えたけど、でもそのくらい。



結局、そのまま



「すみませんが少々お待ちください」



と言われ、私は待機所の椅子に座っていたりする。



ふと見上げると、病院の名前と住所と電話番号などが書かれた紙が貼ってあるのを見つけた。



そうだ、海に連絡しよう。私は震える指で、海への電話のボタンをタップした。



「…海華?」



と海の声が聞こえた。ちょっと驚いているように聞こえる。



私は滅多に電話をかけることがないので驚くのも無理はないだろう。



「かい…っ…」




声にならない。でも、伝えなきゃいけない。




「〇〇病院へ、来て…飛鳥が…」



それで精一杯だった。



でも、それだけで海は分かってくれたようだった。



「ん。日向ちゃんとか桜龍のみんなにも連絡しとくから。海華、待ってろよ。すぐ行くから」



「…ありが、とう」



私がそれを言った途端、スマホを持っていた力が抜けてスマホがするりと私の手から落ちていった。それを合図にかは分からないが、目の前が真っ暗になるのを感じた。




***




「ん…」




私が目を覚ますと、目の前には海の顔のドアップが。どうやら膝枕をしてもらっていたようだった。




「わあっ!」




私は慌ててそこから退く。兄弟でもイケメンなんだから目のやり場に困る。




「よかった。目を覚ましたか」



ほっとしたように海が言った。どうやら海が着いたときには、私は意識を失っていたらしい。



「気分はどうか」



「…悪い」



海を困らせるって分かってるけど、こう言わずにはいられなかった。



心が、なにかがのしかかっているようにずしりと重い。



そりゃあそうだろう。



だって飛鳥が危険なんだから。



…って、飛鳥は⁉︎




「あすか…」



と言うと、海は頷いた。



「ついてきてごらん。立てる?」



「うん。なんとか」




まだ足はガクガクするけど、立てないわけじゃない。



私は震える足で海についていった。